免許・ライセンス
【ライセンスについて】
航空留学で取得可能なライセンスは、自家用操縦士(Private Pilot)、事業用操縦士(Commercial Pilot)、定期運送用操縦士(Airline Transport Pilot)の3種類があります。それに加え、固定翼(飛行機)、回転翼(ヘリコプター)、飛行船、滑空機(グライダー)などの「航空機の種類、」及び航空機の大きさや重さなどによる等級の限定があります。その他、限定事項として計器飛行証明、教育証明などが取得できます。
【自家用操縦士】
自家用操縦士とは、報酬を受けずに、無償の運航航空機の操縦を行うことのできる資格です。自動車の免許で言えば、第一種運転免許(普通免許)に相当します。プロになるためにも最初はこの資格から取得しなければなりません。ここ数年趣味の多様化で、仕事を引退した団塊世代の方や女性などの間にも、趣味や娯楽で「大空を飛んでみたい」という人が増えているといわれます。そのような場合に必要なライセンスがこの自家用操縦士です。
自家用操縦士は、事業用操縦士に比べれば、費用も安く、また短期間で取得可能なので、仕事をしながらフライトスクールに通い、ライセンスを取得することも可能ですし、費用の安い海外でライセンスを取得し、国内で学科の航空法規のみを受験し、日本用に切り替えることも可能です。
自家用操縦士を取得すると、non-high performanceという部類の陸上単発機(エンジンが1つだけ搭載された、陸上からの離着陸を行う飛行機)を日中の有視界状況下で飛ばすことができるようになります。しかし、この資格だけでは夜間飛行や雲の上の飛行、計器飛行、多発機や水上飛行機の操縦などは許可されていません。これらの飛行には別途、限定解除の資格を取得する必要があります。また、自家用操縦士の資格のみではパイロットとして職業に就いて報酬を得ることはできません。職業パイロットを目指す方は事業用操縦士免許を取得する必要があります。
【固定翼(飛行機)】
固定翼の自家用操縦士を取得するには、同乗訓練45時間、単独訓練10時間程度で免許取得となります。訓練期間は個人差はありますが、60日前後かかります。訓練機としては安全性の高い通常セスナ150、152型などを使用します。操縦桿が軽く扱いやすいので女性でも簡単に扱うことが出来ます。
自家用操縦士を取得した後、もう少し上級の飛行機に乗ってみたい人は、多発限定の訓練を受けます。多発限定は学科試験が無いので、飛行時間は通常10~13時間程度、訓練期間は天気さえ良ければ一週間ほどで取得できます。
【回転翼(ヘリコプター)】
ヘリコプターのエンジンは、レシプロとタービンに分かれています。レシプロエンジンと言うのは基本的に車に使用されているのと同じ機構で、ガソリンで駆動します。タービンエンジンと言うのは、ケロシンと言うジェット燃料を使いタービンブレードを回転させることで出力を得ます。発生する馬力がエンジン重量比でガソリンエンジンより優れているので、現在一部の小型ヘリコプターを除いて大半のヘリコプターがタービンエンジンを使用していると言っても過言ではありません。日本の回転翼操縦士の資格は実地試験で使用したヘリコプターのエンジン形式により免許は分かれますので、注意が必要です。
免許取得までの予定飛行時間は、通常同上飛行45時間,単独飛行10時間。訓練期間は個人差がありますが、30~45日程度です。
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日本国内における資格取得の条件
・固定翼
年齢:17才以上
飛行経歴:総飛行時間40時間以上
イ.10時間以上の単独飛行
ロ.出発地点から270㎞以上の飛行で、中間において2回以上の生地着陸をするものを含む5時間以上の単独操縦による野外飛行
ハ.夜間における離陸、着陸及び航法の実施を含む20時間以上の同乗教育飛行
・回転翼
年齢:17才以上
飛行経歴:総飛行時間40時間以上
イ.10時間以上の単独飛行
ロ.出発地点から180km以上の飛行で、中間において2回以上の生地着陸をするものを含 む5時間以上の単独操縦による野外飛行
ハ.夜間における離陸、着陸及び航法の実施を含む20時間以上の同乗教育飛行
ニ.オートローテイション(フルタッチ)による着陸
【事業用操縦士】
自家用操縦士の資格を有するものが、報酬を受けて、航空機の操縦を行う、いわゆる「プロのパイロット」になるために必要なライセンスが事業用操縦士です。事業用操縦士は、報道関係、遊覧飛行、農薬散布などに業務用として一人で操縦できる小型飛行機を操縦したり、人命救助などに業務用としてヘリコプターをしたりする場合に必要なライセンスです。
ライセンス取得は、自家用操縦士に比べて費用も高額となり長期間の訓練が必要になります。また、航空留学などでライセンスを取得した場合、日本での切り替え時に改めて学科(FAA事業用を持っていると実地試験の一部科目が免除)と実技があり、ハードルは高くなっています。
自家用操縦士を取得すれば職業パイロットとして報酬を得ることができますが、大手航空会社のパイロットとして雇用されることはきわめて稀です。というのは経験と資格が足りないからです。大手航空会社のパイロットになるには通常最低でも1500時間以上の飛行時間が必要になり、かつ多発限定や計器飛行証明などの新たな資格が必要になってきます。時には定期運送用操縦士資格やジェット機の操縦経験が求められる場合もあります。
自家用操縦士を取り終えた直後のパイロットはこれらの経験や資格を有していることは少ないので、そのため、多くのパイロットはこつこつと経験を積むことになります。多くの場合、まずは地方路線を飛ばす小規模航空会社への就職を目指しながら、教官証明を取得して教官としてフライトし、機長時間を稼ぎます。もちろん、収入を得ることも可能になります。
【固定翼】
多くの場合、多発限定も含んで訓練を受けます。訓練機はセスナ150型、152型、172型、多発訓練にパイパーセミノールなどを使用します。飛行時間はセスナ150型が190時間 セスナ172型が33時間 パイパーセミノールが13時間程度。訓練期間は約5ヶ月を見込みます。
【回転翼】
日本の免許では、実地試験で使用したエンジンにより、レシプロとタービンと免許が分かれますが、自家用操縦士をタービン機で取得し、事業用をレシプロで受験することにより日本に書き換えたときは自家用タービン及びレシプロの資格を手にすることが出来ます。
訓練時間は、同乗で110時間、単独で28時間、それからレンジャー12時間程度が必要で、訓練期間は約4ヶ月程度です。
日本国内における資格取得の条件
・固定翼
年齢:18才以上
飛行経歴:総飛行時間200時間以上
イ.100時間以上の機長としての飛行
ロ.出発地点から540km以上の飛行で、中間において2回以上の生地着陸をするものを含む20時間以上の機長としての野外飛行
ハ.機長としての5回以上の離陸及び着陸を含む5時間以上の夜間の飛行
ニ.10時間以上の計器飛行
・回転翼
年齢:18才以上
飛行経歴:総飛行時間150時間以上
イ.35時間以上の機長としての飛行
ロ.出発地点から300km以上の飛行で、中間において2回以上の生地着陸をするものを含む10時間以上の機長としての野外飛行
ハ.機長としての5回以上の離陸及び着陸を含む5時間以上の夜間の飛行
ニ.10時間以上の計器飛行
ホ.オートローテイション(フルタッチ)による着陸
【定期運送用操縦士】
事業用操縦士の資格を有する者が、定期運送用操縦士とは、国内線や国際線の定期航路の航空機を機長として操縦するのに必要な資格です。パイロット系最上位の資格となります。
21歳以上で一定の飛行履歴があれば受験可能ですが、専門知識と高度な技術、万一のときの冷静で的確な判断力と処置が求められ、他のパイロット資格の中でも抜きん出た飛行履歴が必要です。
日本国内における資格取得の条件
・固定翼
年齢:21才以上
飛行経歴:総飛行時間1500時間以上
イ.100時間以上の野外飛行を含む250時間以上の機長としての飛行
ロ.200時間以上の野外飛行
ハ.100時間以上の夜間の飛行
ニ.75時間以上の計器飛行
・回転翼
年齢:21才以上
飛行経歴:総飛行時間1000時間以上
イ.100時間以上の野外飛行を含む250時間以上の機長としての飛行
ロ.200時間以上の野外飛行
ハ.50時間以上の夜間の飛行
ニ.30時間以上の計器飛行
【教育証明】
教官資格を取得し、教官として飛行することを目的とした資格です。回転翼、固定翼ともに事業用操縦士の資格を有する者が対象となり、自家用、事業用に比べ英語力が必要となります。飛行訓練では、操縦席とは逆の席に座り、実地試験は飛行より教官としての知識を確認する口頭試問が重視されます。
飛行時間は固定翼、回転翼共に30時間程度。地上でのグランドスクール及び自分の学習に時間を取られ免許取得までには3~5ヶ月が必要です。
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【ライセンスの書き換えについて】
国際航空条約(ICAO)に加盟している各国では、お互いの免許を自国の免許に書き換えることができます。通常航空留学で選ばれる国は、この条約に参加している国がほとんどですから、日本の免許に書き替える事が出来る訳です。しかし全ての免許が書き替えられるわけではなく、現在日本で海外免許を書き替えることができるのは、自家用免許に限られています。
運輸省航空局が編集して発行しているログブックを持って行き機番、離着陸時間や単独飛行及び単独野外飛行の教官証明などを正確に記録しておく事が帰国後の書き替えを容易にする事になります。